パタン・ランゲージ
1977年、建築家のアレグサンダー(Christopher Alexande)により発表された「A Pattern Language」という考え方によると、課題を解決へ導く時に繰り返し表れる構造や形態といった「方策」をパターンと定義したとき、そのパターンを組み合わせた集合体がより体系的に問題解決に導くことを可能にする。そのパターンの組み合わせは単純なツリー構造で表現するものでなく、包含関係を含んだセミラティス構造によって表現される体系が必要であるという。ここでゆうパターンは、設計を行う際に必要となる考え方やプロセスが用意されたものであって、単純にそれ自体を組み合わせれば自動的に全体がつくられる(問題解決できる)ものではない。しかし、設計を行う際に直面する問題について、すでにわかっている解決の道筋が明示化されることで、より効率的に設計を進めることが可能となるという。また、このように問題を解体することで、専門家だけでなくその設計を用いる人が設計プロセスに参加できるようになることも期待出来る。実際アレグサンダーも、建築に施主が関わることを目指して、つまりコミュニケーションのために、パターンランゲージを考案している。現在、提唱された”建築”分野のみならず、様々なデザイン分野でこの考え方が注目されていると聞く。*参考文献 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキティクチャ設計 長谷川敦士
なぜアレグサンダーはコミュニケーション(コラボレーション)のためにパターンランゲージを考案したのだろう。
ツリー構造に疑問を持った時、複数のカテゴリに属することを許すようになるまで分解した要素が、様々な場面で活用できることに気がついた。単純化した要素(パターン)を利用すれば、技術を持たないクライアントが直接プロジェクトにも参加できるのではないかと考えて。パターンがコミュニケーションにおける磁石の役割を果たし、人と人を引き寄せる力を持つ。これが成功へ導く最大解であり、本来の目的(プロジェクトの成功)の鍵となる。
コミュニケーションは、「パターン」を明示しあうことからはじまる。
わたしたちは、より多くのパターンを生みだし、提示し続けることが、真のコミュニケーションにつながると信じている。